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ホーン・マン

Clarkhoward ホーン・マン
クラーク・ハワード
光文社文庫 英米短編ミステリー名人選集2

 ほんに情報量の少ない作家で、検索記事に困ってしまう。アメリカはテネシー州メンフィスの近くリピーに1934年生まれ。生きていれば75歳になる勘定になるが、どうなんでしょ。
 連載された「EQ」と言う雑誌は、1977年末に光文社から隔月刊誌として発刊し、1999年7月号(第130号)をもって休刊したと言う。確かに「ミステリーマガジン」と並んで書店の棚に並んでた記憶がある。古本屋の棚にバックナンバーも有ったっけ? その頃全く興味の無かった僕には、隠された宝の山でしかなかったのです。

 本家『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』(1941年にアメリカ合衆国で創刊)の正味翻訳本だったらしく、訳載不許可?の作品が増えたのが休刊の理由だったとか…。なんか恩着せがましい話です。

 それでも当時は、生の海外ミステリーが味わえると言う希少価値があったことはよく分かる。そして、短編の寡作作家=クラーク・ハワードを惜しむ声が、ファンをしてこの唯一無二の珠玉の短編集を編ませたのだと思うと感涙ものであります。

 表題作「ホーンマン」は、無実の罪で刑務所に入っていた若き才能あるジャズメンの出所の数日間のお話。切々とした語り口と貧困層の老人達の乾いた人情には、アメリカの歴史の暗い過去を感じさせます。
 名作「スカルプロック」では、抑圧されたアメリカンインディアンと騎兵隊の深く長い確執を語っても、そこに苦渋の愛があります。
 日本人をして感涙に咽させるこの憎いほどのストーリーテラーは何者なのだ。
 その後の消息も追えず、作品だけがポンと投げ出されて、まるでサリンジャーのように後ろ髪を引きずる作家の一人です。

 残念なことにこの短編集もすでに廃刊。古本市場か僕のように図書館で出会えるのを待つしかないようです。

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