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ハサミ男

sh0023ハサミ男
殊能将之 著:講談社ノベルス

第13回メフィスト賞受賞作であります。ミステリー界の歴史ある賞を取っただけあって読み応えというか、ラストの斬新さに感心してしまいます。ただミステリーとして成り立っているかどうかは、クリスティの「やっちゃいました」反則ものと同じくらいに不可解ではあります。でも、しっかり読ませてしまうから作家として巧みかも。
洋ものの音楽に詳しくないので詰まらないのは、このハサミ男(シザーマン)がXTCという音楽グループの楽曲から発想されたこと。ロック系らしいけど、サッパリです。

お話は最初からハサミ男の独白で始まります。残虐な犯行を綿密な計画で楽しむ連続殺人犯としてのハサミ男。その平凡なアルバイターとしての日常と狂気が淡々と描かれてゆくはずが、あろう事か自分の犯行を真似た殺人現場に遭遇してしまいます。
わぉー予想外の展開。あたふたと戸惑うハサミ男と読者である僕。
現場の第一発見者であり本当のハサミ男である「ハサミ男」は、ついにその偽ハサミ男を突き止めるべく活動を始めます。妙に憎めない奴です。
これ以上ネタを語ると大いなるトリックの楽しみがなくなるので、是非ご一読を!

もう一つの視線として、刑事の磯部の捜査活動が地道でいい味を出してます。上司で切れ者の上井田警部や本庁からのキャリア、犯罪心理分析官:村木も相まって、左往右往してなかなかハサミ男にたどりつきません。第一発見者が怪しいというところまで行って、裏がとれない状況が続きます。どちらかというと心理サスペンスもの?

読みにくいペンネームの殊能氏。才能は十分みたいなのですが、筆は遅いみたいです。次回作が読んでみたいのに今のところ、文庫系ではないみたい。ハサミ男の次回作ってのも、プレッシャーがきついかもしれません。

お奨め度:この感想文で消化不良を起こしそうな本の虫に星4っつ。

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Comments

ども、くろやぎこと田山です。
「ハサミ男」のタイトルは確かに辛いかも……。
本格モノと称する推理小説には妖しいタイトルが多いのも事実? 一般受けは狙っていないのかなぁ?
殊能氏の本は、安芸区図書館にはもうありませんでした。残念。
ここしばらくは本格モノを漁ってみようと思ってますので、コノコノ女史にも話が合うかも……。

Posted by: くろやぎ | Tuesday, February 01, 2005 02:21 PM

きたー。
ハサミ男。
かなり前に木村さんに薦めたらソッコウ却下されました。
長々とストーリーを話したにも関わらず・・・。
多分このタイトルで却下だったのでしょう。

私は結構好きです。
あと「牛」が付くタイトルの本なかったでしたっけ?
もっと一般受けしそうな装丁にすればいいのにとは思いますが。

やばい、もしかして田山先生と趣味一緒?

Posted by: コノコノ | Monday, January 31, 2005 03:31 PM

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