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「超」整理法

「超」整理法:野口悠紀雄
中公新書

副題に「情報検索と発想の新システム」とあるように所謂、情報整理のハウツー本ですし確かその当時(1990年頃)のベストセラーです。
この人の経歴がすごい。東大の工学部を出て大蔵省に入庁、10年足らずで退職して米国はイェール大学の経営学に転身。出版当時は一橋大学教授職だったという、元気なひとです。
バブリーな時代の産物とは言え、「24時間働きたい」と本気で思ってた人種には、目の覚めるような「副音書」だったと思います。
野口さんはその当時にすれば「メカ」にも強く、デジタルメディアにも詳しかったのですが、残念ながらDOS時代の簡易なデータベースとワープロ程度の利用に留まってます。

それでもやはり画期的だったのは、川喜多博士のKJ法や梅棹忠夫の「こざね法」などの情報カード整理法に代わる、封筒ぶっこみ押し出し整理法だったことです。
これは時間順にものを列べることで人の記憶と必要情報の選別を同時に行うという、横着者には本当に有り難い教本でもあったのです。
実際、理に適ってると思うのは蔵書にせよ仕事のデータにせよ、分類して整頓するスペースがまず実質的に無いことや、捨てる理由を自分自身に納得させるには明確な「もう数年使わなかった」という事実が必要だったってことです。
勿論その結果、安易に捨ててしまった大切な思い出の本も有ったりして、悔やんでることも多々ありますけど……。

野口さんの場合、自分の生活で実践して、活用し修練した方法なので、そう言った説得力があったのでしょう。
難点は、角2の封筒がとにかく沢山必要なこと。ついついカタログや関連会社の封筒を流用してしまって、見た目が悪く保存が難しくなるという経験をします。
とにかく斬新にも「割り切った」発想法の良い見本です。一読の価値有りです。
続編が沢山出ていますので、フィーリングの合った人は読み進めても面白いですが、そもそも乱読や積ん読しか出来ない性格の僕には、高尚すぎてお手上げです。
基本的に24時間働けないし、働く気のない御仁には無用の知識です。

最近は電子ファイリングの技術というか、ハードとソフトが進んでしまって、もっと楽にお金さえ有れば整理出来てしまいます。DVDに百科事典や辞書が100冊近く収容できていまって、数秒で検索できてしまう時代なんですから……。べつに、ファイリングをしなくても必要な情報も知識も、漢字の用字さえインターネットで分かってしまうと、自宅に蔵書は要らないかとも思ってしまいます。
書斎が欲しいと宣うおやじには、辛い時代になりました。

お薦め度:将来は書斎という別宅を持ちたいお父さんに星4っつ。

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