« ハマボウフウの花や風 | Main | 少年H »

笑う警官

笑う警官:マイ・シューヴァル/ペール・ヴァール
角川文庫 訳:高見浩

珍しいスウェーデンの夫婦共作作家ですが、旦那のペールさんが亡くなってしまってこの有名な「マルティン・ベック刑事」シリーズは続きが読めないのは残念です。
白夜のイメージそのままの北欧を舞台にした陰湿で血生臭い犯罪を、ベック刑事とその仲間が泥臭く追い込んで行きます。推理と言うよりサスペンス寄りの「87分署シリーズ」の北欧版って言えば早いかも知れない。
独特のプロットはお見事で、犯人側の視線でストーリーを組み立てたりする場面とか、突然この人は主役級じゃなかったの?って人物が殺されちゃいますし、良い意味で読者を裏切るそのテクニックが憎い。第1級の刑事もの小説です。
この「笑う警官」は映画化もされたらしいが残念ながら僕はまだ未経験です。あんまり期待もしていないのは、刑事物って地味だから「湾岸署」みたいなドタバタものでないかぎり映画は成功しそうにない。インディーズものならまだしも、興行には向かないかも。
妖しい題名なので、おちゃらけ小説と思う向きもあるでしょうが、見事にホラー系です。
心臓の弱い人や、夜ひとりでトイレに行けない人はお薦めできません。僕は当分、印象が強くて他のものが読めませんでした。
このシリーズは全部で5作くらいしかありません。一気に読破してみてください。
間違いなく嵌ります。本当に次回作が読めないのが残念。シューヴァルさんが他の人と共作した物がありますが、やはりベック刑事には勝てません。

お薦め度:星4つ

|

« ハマボウフウの花や風 | Main | 少年H »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 笑う警官:

« ハマボウフウの花や風 | Main | 少年H »